方丈便り 第3号 中学3年生 04・04・24(土) 発行者:橋本
本当の自分? 〜〜個性って何だろう?〜〜
先日卒業生がきて、ふとこんな話をした。
「自分が何者かわからない。」
とても明るく活発で、人一倍個性が強い彼が、そんなことをいうので少し戸惑った。
「僕は他人の継ぎはぎで、いくら自分を探しても<オリジナル>が見つからない。」
「何をどう考えても、結局<誰かの影響を受けたこたえ>しかかえってこない。」
詳しく話を聞いていくうちにはたまた驚いた。
こんな風に書くと語弊があるかもしれないが、とても嬉しくなり、彼のことを尊敬できた。
と同時に嫉妬心を感じている自分に気付き、少し可笑しかった。
実は以前私も、全く同じ悩みを抱いた経験があるのだ。
同じ壁にぶつかっている彼に対する共感と、
私よりずいぶん早くに、同じ悩みを持った彼に対する複雑な感情。
「あぁ、こんなことに競争心が芽生えるんだな。」
などと、相談している彼をよそに、新しい自分を発見して可笑しかったのだ。
普段私はあまりアドバイス的なことは言わずに、聞いていることが多い。
自分が人に話す時も、大抵聞いてもらえればそれで満足してしまうから。
ただその日は最後にこんなことを話した。
「継ぎはぎでも、誰からどれだけ影響を受けているか
その割合はきっと自分のオリジナルなんじゃない?」
さも<得意げ>にこたえたその言葉は
自分が散々悩んだ結果、ようやく自分を納得させた言葉だった。
彼も話ができてすっきりしたようだった。
皆は、目の前に何か大きな壁を感じたことはあるだろうか。
またそんな時に話せる人はいるだろうか。(彼の場合、真面目な話をする環境がないらしい)
順調な時ではなく、むしろ自分がうまくいっていない時にこそみえることもある。
「人生 さまざま おかげさま」 (誰の言葉かは忘れてしまったが、言い得て妙)
自分のことや周りのこと、いろいろなことが見えてくると人は自然と謙虚になるようだ。
ただ卑屈になる必要はないと思う。
もし、周りの人間の大きさに気付けたのなら、君も立派な大人だろう。
自分もゆっくり成長を続ければ良い。
「人生 さまざま おたがいさま」 でもあるのだから。(ちょっと語呂が悪いかな)