方丈便り 第13号 中学3年生 04・07・24(土) 発行者:橋本
「なぜ勉強するの?」
私は授業中に、しばしば君たちにこの質問をぶつける。
すると大抵「将来のため」というような答えが返ってくる。
確かにその通りだ。
自分の将来のために、今、君達は塾にまできて必死に勉強しているのだろう。
では、具体的に自分の将来にどう役立つのだろうか。
今君達が勉強していることは、社会に出てから本当に役に立つのだろうか。
うまくいっている時にはあまり気にならないが
思うように成績が伸びなかったり、あるいは下がってしまった時に悩んでしまう人は多い。
これから先、問題の難易度は更に上がっていくことだろう。
それに応じて、当然君達も更に努力していかなければついていけなくなる。
「将来のため」その言葉を信じて努力を続けられれば良いが
人は実の結ばない努力を惜しむ(cf.方丈便り11号)
「なぜ勉強するの?」
自分を納得させられるコタエを君たちは持っているだろうか。
私は子供の頃、学校の勉強があまり好きではなかった。
だからいつも「なんでこんな勉強するんだろう?」と考えてばかりいた。
ただ「教師になりたい」という強い願望があったので、必死に勉強をした。
あまりデキの良い頭ではなかったので、本当によく勉強したと思う。
子供の頃は嫌いだったはずなのに、大人になると、勉強したいと思う人は非常に多い。
実際に、仕事をし、炊事洗濯をこなしながら、勉強をしている人もたくさんいる。
勉強に専念できる君達を羨ましいという人がいるのも納得できる。
私もそんな大人の1人だが、今、あの頃よりずっと勉強が楽しい。
自分の興味のあることを勉強し、理解できるとやはり嬉しい。
今、君たちは「勉強の仕方を勉強している」といっても過言ではないだろう。
大人になって自分で勉強しようとしても、できない人はたくさんいる。
それは勉強だけでなく、スポーツでも何でも同じことだ。
*強いサーブをうちたいと思っても、サーブの練習(practice)だけで目的を達成できる人は少ない。
そのための筋肉トレーニングや、柔軟、素振りなどといった練習(training)が必要になる。
「なぜ勉強するの?」
この問いに正解は存在しない。
自分のなりのコタエを、この夏、模索してみるのも悪くないだろう。