方丈便り 第20号 中学3年生 04・10・02(土) 発行者:橋本
「イチロー」から学ぶ
過去84年間誰も破ることの出来なかったシスラーの記録、メジャー年間最多257安打。
奇しくも彼が亡くなった年に生まれた日本人が、今日ついに更新した。
「イチロー」こと鈴木一郎選手。
彼は日本のプロ野球時代から、プレッシャーを糧に数々の記録を打ち立ててきた。
しかし、そんな彼もプロ入り時から注目された選手だったわけではない。
事実、1・2年目の打率は2割5分3厘・1割8分8厘と、決して振るった成績といえない。
現在のブレークは登録名を本名から「イチロー」に変えた入団3年目の94年からだ。
彼独自のフォーム「振り子打法」をひきさげ、210安打の日本の年間最多安打記録を樹立。
打率も3割8分5厘で首位打者、最優秀選手賞などを獲得した。
以来、マリナーズに移籍するまで、7年連続首位打者等、数々の実績を残した。
大リーグ入りした01年も、242安打で新人シーズン最多記録(歴代10位)。
打率も3割5分で首位打者、盗塁王、ア・リーグの新人王、更に最優秀選手賞などを獲得した。
その後も現在まで、4年連続200安打を記録し、4年通算安打も現在921で
1929〜32年のビル・テリー(ジャイアンツ)の918安打を抜く大リーグ新記録となった。
年間安打記録の歴代10位のうち、イチローの2つの記録以外は、70年以上過去の記録だ。
その頃は現在とは違って、1人のピッチャーが完投することが多かったそうだ。
また移動や試合時間といったスケジュールも今よりもっと簡単だったらしい。
最後に、野球の本場で最高峰を極めた、日本のスーパースターの言葉を2つ。
・「(結果とプロセスは)両方とも大事です。結果を出せないと、この世界では生きていけない。
プロセスは野球選手としてではなく、人間をつくるために必要。」
(7月21日、日米を通じて自己初となる2試合連続の4安打を記録時)
・「(周りに)驚かれているならまだまだ。驚かれないようになりたい。」
(8月11日、新人から4シーズンでの最多安打記録840本を更新時)
(参考記事:朝日新聞、共同通信、時事通信、毎日新聞、夕刊フジ、読売新聞、ロイター)
今回イチロー選手について調べていくうちに、血が沸くような感覚におそわれた。
特に、上記の2つの彼自身の言葉には涙がでた。
人は彼を「天才」とよぶかもしれないが、私はその評価の仕方はあまり好きではない。
彼が積み上げてきたものを、たった一言でかたづけてしまって欲しくないし
また「自分とは違うんだ。」と、誤解して欲しくないからだ。
彼は自分のことをこう評している。
「努力をする才能ならあります。」
現在259本。残り2試合。
プレッシャーを乗り越え、これからも存分に活躍してくれることだろう。