方丈便り 第21号 中学1年生 04・10・16(土) 発行者:橋本
勉強 〜〜 最後の砦 〜〜
勉強や試験が本心から「好き」という人はどれくらいいるのだろう。
怒られないようにとりあえず机に座って勉強するフリをしてみたり、
宿題の答えを丸写ししたり、問題を飛ばしてやって最後までやったようにみせたり。
「やったけどノートを忘れました。」・・・なんて、これは最終手段。
多かれ少なかれ、なんとか勉強をサボろうと考えたことはきっと皆にもあるだろう。
勉強が「つまらない」「やりたくない」と感じるのは、なぜだろう。
そんな議論がよくなされるが、「先生が悪い。」「教科書がいけない。」「文部科学省がダメなんだ。」
と、人を非難するだけで、あまり建設的な意見交換はなされていないように思える。
そもそも、周りの環境が万全じゃないと子供は勉強しないという考え方にあまり賛同できない。
もちろん「楽しく効率よく」勉強することは、悪いことではないのだろう。
しかし、周りが手をかければかける程、本人のやる気は削がれるということも少なくない。
親の仕事の手伝いや、家事を強制させられることもなく、やりたくないことはしない。
今の君達にとって、やりたくないけれど、やっていることって何だろう。
果たして、楽しいことしかしない人間が、本当に健全に育ち、社会に適応できるのだろうか。
社会に出れば、やりたいことよりやらなければならないことばかりだと感じる人が多いはずだ。
「だからせめて子供のうちは好きなことだけを。」なのか。
「だからこそ子供のうちから少しずつ。」なのか。
私は、勉強は最後の砦だと信じてこの仕事をしている。
勉強は基礎トレーニングなので、それ自体がおもしろいと思える人は多くない。
しかし、その後の自分次第で、大きな幸せや喜び、達成感を得ることができるのだ。
(c.f. 方丈便り第13号)
「あなたのためなんだから。」なんて、今更中学生に言うことなのだろうか。
「勉強した方が良いらしい」ことに気付いていない人はいない。
あとはなぜ「勉強した方が良い」のか、自分で考えて、自分でそれに気付くしかない。
私達の仕事はその道を舗装することでも、ゴールまで案内することでもない。
その道に障害があることを示唆し、そしてその障害に対して、
自分でさまざまな対処ができるよう一緒に学ぶことだ。
中間テストお疲れ様。
今学期のテストは、都立高校を受験する人にとって、非常に重要なものだ。
受験に直結するわけだから、その「1次試験」といってもいいだろう。
そういう心構えをしっかりもって、試験に臨めただろうか。
もし不十分だと思う人がいたら、来月すぐに「2次試験」だ。
後悔することのないように、集中の糸を切らさず全力で自分の課題に取り組もう。