方丈便り 第24号 中学3年生 04・11・27(土) 発行者:橋本
失敗するチャンス
何か1つのことに夢中になってがんばることを「がむしゃら」という。
私の好きな言葉の1つだ。
この仕事を始めて10年、いろいろな生徒を見て思うことがある。
それは、大半の生徒が、私よりずっと優秀だということだ。
私はあらゆることにおいて、つくづく飲み込みが悪く、覚えも悪かった。
勉強でも、常に1問1問ぶつかってしまう。
そんな私には、地べたを這いずり回るような、泥だらけなような、汗臭いような、、、
そんなイメージのするこの言葉が、一番あっているように思えるのだ。
スマートさなんてないが、馬鹿正直に突っ走る姿勢は実に爽快だ。
一生懸命でも精一杯でもいいのだが、やはり「がむしゃら」これが一番しっくりくる。
一生懸命やって、失敗するのは恥ずかしいのかもしれない。
失敗した時の言い訳を用意しておきたいのかもしれない。
「今のは冗談、本気じゃないよ。<ウソンキ>。」
そんな子供じみた言い訳を用意する方が私はよっぽど恥ずかしいと思う。
少なくても今君たちは、失敗してはいけないことなんて1つもない。
失敗することを恐れて、本気になることに二の足を踏んでいては、
いつまでたっても、前に進むことはできない。
人は本気でやって、何かを成し遂げたときしたとき、自分に自信が持てるようになる。
また、本気でやって、失敗した分だけ、成長する。
ただ覚えておいて欲しい。大人になればなるほど、失敗するチャンスは減ってしまうのだ。
一生懸命やること、それ自体を恥ずかしいと思う人もいるかもしれない。
「先生今時そんなのはやんないよ。」
流行らなくて結構。「流行」の多くは
自分(の価値観)に自信のない10〜20代をターゲットにした「企業の金儲けの戦略」だ。
少なくとも私は、そのぐらいにしか思っていない。
ひねくれやの私には、むしろ好きなものは流行って欲しくない。
人の意見をたくさん聞いて自分のセンスを磨けば、人の批評は気にならない。
そういう意味で流行を気にしすぎてしまうのは、自分に自信がない表れだと私は思うのだ。
「自らを省みて正しくないと分かれば、例え相手がとるに足らないものでも私は恐れる。
しかし、自らを省みて正しいと思うのであれば、私は千万の敵であろうと恐れることはない。」
(松平春嶽の座右の銘)
自分の才能にもっと自信を持とう。自信を持てるようにもっと本気になろう。
本気になれるものを見つけるために、たくさんおしゃべりをし、本を読もう。
そのまま自分の奥底にしまっておいては、宝の持ち腐れだ。