方丈便り 第32号 中学2年生 05・03・18(金) 発行者:橋本
二兎を追うもの一兎も得ず
聖徳太子だっただろうか。
複数の人の話を同時に聞いて、瞬時に理解し的確に対応のできた偉人がいたという。
しかし君達は今、同時に複数のことをすべきではない。
それは時に相手に失礼な場合もあるだろうし、何より自分自身にとってよくない。
例えば家事。
掃除機を出して、掃除を始める。
ふと外をみて洗濯物が乾いていることに気付き取り込む。
しかし畳むことなく、窓の汚れが気になって拭き始める。
ようやく掃除に再開したと思えば、今度は棚が気になって整理を始める。
すると昔のアルバムが出てきて見入ってしまったり、
読みかけの本が出てきて読み入ってしまったり・・・。
我に返って周りを見回すと、掃除機、洗濯物、バケツに雑巾、アルバムや本の山。
これでは一体片付けているのか散らかしているのかわからない。
もちろんこれは家事だけではなく、日常の生活全般に言えることだ。
今、何がしたいか、何をすべきか考えて1つずつやる。
その「今」は、一瞬一瞬から、学生時代という長い「今」もあるかもしれない。
そしてこれからきっと、やりたいことが同時にいくつもあることもあるだろう。
そんな時も、しっかり優先順位を考えて1つずつやることを覚えておいてほしい。
大人になると、同時に何かをしなくてはいけないと思うことがある。
私も、これもあれもそれもと、やりたいこと・やらなければならないことに
埋もれてしまうことがよくある。
しかしこれは錯覚だ。1人で勝手に目を回しているのだ。
正しくは、的確に「はやく」こなす能力が要求されるということだ。
気持ちを切り替え、1つ1つに全力でぶつかり
素早く対応することができれば、何も同時にやる必要などない。
今は自分が大事だと思うことを見つけ、優先順位を立てられるようになることだ。
もちろんその順位は変わっても構わないが、
後悔するようなことがないようによく考える必要はある。
まずはゆっくりでもいい。1つ1つきっちりできるようになることだ。
衝動的にやるのではなく、計画を立てて、実行できるように訓練する時なのだ。